Dear Diary:

MTT9000です。主にゲームの考察をしていきます。

DELTARUNEの憂鬱

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ネタバレになりますので自己責任でご覧下さい。

 

 

 

DELTARUNEを一通りクリアしてみて、

初見で “純粋に感じたこと” を忘れないうちに、覚書として残しておこうと思いました。

ふせったーも考えましたが文量が多くなってしまったので、はてなブログを開設しました。

まだ情報が不十分であるということと、私の個人的なバイアスが掛かっているものですので、あまり真に受けずに読んで頂ければと思います。

 

面白くなかったかと言われたら面白かった!!

ただ毒が強く、私は“いい意味で”大ダメージを受けてしまったので、その気持ちを整理する意味でも考察しようと思い至った次第です。(…単純に誰かに叫びを聞いてほしかったのかな)

 

もくじ

・UNDERTALEクリア後を推奨する理由

・キャッティ,アリゲッティにみる“配慮のなさ”

・メタトンが部屋から出てこない理由

・ここはどこなのか?

・最後に

 

 

 

・UNDERTALEクリア後を推奨する理由

まずUNDERTALEをクリアしているという前提条件についてだが、これはゲームシステム(戦闘ルールやルート分岐)の理解度をある水準まで上げることで、作者の見せたかったシーンの“真意”を汲み取りやすくするための工夫と思われる。要するに“アンテ脳ほどドツボにハマる”ストーリー構成になっていると個人的には感じた。(とくにクリア後の散歩では何とも言えない気持ちにさせられた)

 

 

・キャッティ,アリゲッティにみる“配慮のなさ”

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UNDERTALEではお互いの種族が何であるか言及せず、常に一緒で仲が良かった二人が、DELTARUNEでは険悪に描かれている。ここでの彼女らのやり取りに注目したい。この世界がただ単に立場が“逆転”した世界“ではない”ということが見えてくる。キャッティのセリフに “マネすんなっつの!サルかよ!…あ ワニか。 てかキョウリュウ? ハチュウルイ? とにかく ムカツク〜!” という部分がある。ここまでストレートに種族について詮索するというのは悪意すら感じる。アリゲッティのセリフでは “あのコの いもうとが だしたコーヒー ネコのけが ドッサリ はいってて〜 てか ヘアネットかぶれよ? からだじゅう ヘアネットかぶれよ? みたいな?” などという相手の身体的特徴に対する明確な嫌悪感を表す発言が見られる。ここまで強烈に描かれると差別問題を示唆しているように思えてならない。
あれだけジェンダーリテラシーや個性の尊重などに配慮された作品が何故こうも変わってしまったのか。そしてなぜ、自由な世界を支持しているであろうUNDERTALEをクリアした人物に向けてわざわざ発信しなければならなかったのか。

 


・メタトンが部屋から出てこない理由

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この世界での彼は“留守”という言葉を使っている。ここで最初のキャラクタークリエーション画面を思い出してほしい。このゲームを開始した直後に “自分が何者になるか… この世界では 誰も 選ぶことはできない。” というメッセージが表示される。つまりメタトンの場合、自らが選びとって“メタトン”と名乗ることが出来ず、彼は“にくたい”を手に入れられないまま、まだ生まれてすらいないのである。ただナプスタとの立場が変わっただけではない理由は後述する。

 

・メタトンが部屋から出ない理由その2?

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ここからは私が個人的に感じたTG関連での理由付けとなる。まずメタトンがカントボーイでありFtMをモチーフにしているキャラクターであるという考察は既に随所で語られているが(海外フォーラムで語られることが多い。日本語の文献は三宅ミケ氏の考察などがある)、この世界のメタトンはGIDでいう未パスの状態であると私は思っている。その裏付けについて述べる。まず彼に話しかけた際に出るSE…つまり“声”に注目したい。地下世界での彼は声を褒めると自慢げに見せびらかすような仕草を見せる。その時のSEと、ここで出るSEとは異なっているのである。扉越しに聴こえる彼の声?と思しき音は、アリゲッティなどのモブキャラクターたちと同様のSEだった。(GID者は声でパス率がぐっと変わってくるため、この要素がないというのは当事者にとっては大問題である) 他に顔アイコンがないのもそのひとつである。彼を支持するパピルスも一緒に引きこもっているところを見ると、この世界で迫害を受けているような印象さえある。(そしてこれはかなり個人的な感想であるため…当事者にしか分からない些細なことと思うが) 以前、私も同じ理由で部屋から出ない時期があった(厳密には出られなかった)。だからこそ、当事者として、あの世界での彼は見ていて辛いものがある。まほうが存在しない世界で、にくたいを手に入れるのは、精神的にも身体的にも痛みを伴うことだった。だが、それだけでは済まされない。そこへ社会的圧力までもがのしかかってくるのだ。そういう意味でも、のちにメタトンとなる者であった彼が重く扉を閉ざすのは、部屋を出る決心がつかないからという理由ではなく“出ることができないから”という方が正しいだろう。

 

 

 

・ここはどこなのか?

クリアした後に “すべてが逆転した並行世界” という印象を受けたという人が多いのではないかと思う。私もその一人だ。では、“なにが逆転したのか?”…そもそも“ここは、どこなのか?”
情報不足のため無理矢理ではあるが、“モンスターとニンゲンの立場が逆転したのではないか?”という考えが浮かんだ。おそらくニンゲンとの戦争で “敗北した世界線がUNDERTALE”、“勝利した世界線がDELTARUNE” なのではないだろうか?そう考えると彼らが地上で繁栄し、ニンゲンのように病床に伏したり、迫害や差別をしているのにも合点がいく。

 この部分は勘違いをしておりました。てっきりゼルダの伝説 時のオカリナムジュラの仮面風のタクトのように世界観がifのパラレルワールドになっているものだとばかり思っておりましたので“戦争ありき”で考察していたのですが、そもそも“戦争などなかった”という見解が現時点では主流のようです。 

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ここで注目すべきはガーソンではないかと個人的には思っております。

UNDERTALEで登場する唯一の戦争体験者の彼ですが、DELTARUNEでは既に亡くなっています。主人公の年齢からUNDERTALEよりも時間が進んでいることがなんとなく推察できると思うのですが、死因は寿命とみてよさそうです。

彼を登場させてしまうと世界線が明確になってしまう。が、かといって存在を消すと辻褄が合わないため、亡くなったことにされているんじゃないかと思っています。ちなみにUNDERTALEの中でデルタルーンについての話を聞ける(王家の紋章であると言及する)のも彼だけです。何か知っているのでしょうか。

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UNDERTALEの世界の彼も…もしかしたら文学賞に輝いていたのかもしれませんね。そう…戦争さえなければ。

 

・最後に

ここまでお付き合い頂きありがとうございます。

DELTARUNEについて今まとめられるのはここまでですが、前述したもの以外にも書きたいことがまだ山ほどありますので考えがまとまり次第更新していきたいと思います。(例えば次に書きたいのはアリゲッティがバターカップの毒入りケーキを食べた可能性についてと、キャラクターの名前のアナグラムなど)

気が向いたら、またどこかでお会いしましょう。

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